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【花の運命】(椿かのこ 超小ネタ)

LaLaDX9月号から。
椿君の一人称で短文です。

では「続きを読む」からどうぞ。
◆◆◆
 朝にパソコン部の変態と一戦を繰り広げた後は、さすがに別学年じゃ授業にまでは乱入できないから、そこそこ穏やかに過ぎていった。
 もちろん俺は苗床からは離れないし、目も離さなかった。苗床も気持ち悪がって、今日は俺から離れようとしなかった。あのパソコン部の部長野郎の存在に0.1%の価値があるとしたら、苗床が俺にくっついて来るようになったところだろう。
 だがそれも放課後までだった。
 ちょっとの隙に苗床がいなくなって、俺は慌てた。あの野郎に攫われたのかと慌てて探しに行くと、昇降口から戻って来ようとしていた苗床と行き会った。
「苗床! 黙ってどっか行くなよ! 攫われたのかと思っただろ!?」
「攫われ……椿君、そんな直接的に犯罪なことはしないと思うよ。とりあえず、ごめん、花束回収してきたんだ」
「花束?」
「パソ部の部長が靴箱に突っ込んできてた花束。朝、そのまま捨てちゃったんだけど、まだ残っててよかった」
 花束……!?
 あの変態の!?
 要らねぇだろ、そんなもん!
「捨てろよ! 気持ち悪いだろ! 花束が欲しかったらいくらでも俺がやる」
「椿君から花束貰ったって意味ないよ」
 あの変態からだったら意味あるのかよ!
「苗床、おまえ、気が変わって、あんなのが……」
 口にするのも恐ろしい可能性に、ゾッとする。
「ばっかじゃなかろうか、んなはずないじゃん。このまま私、部室行くけど」
 どうするとは聞かれなかったが、もちろん俺は苗床についていった。

「…………いいかげん諦めろよ」
「いや! ある! 絶対仕込んでるはず! こんなにバラしても見つからないなんて、どこまで小型化された高性能盗聴マイクなんだろ」
 今、俺と苗床の前には、粉々と言っていいところまで分解されたかつて花束だった残骸が机一面に広がっている。
 あの野郎の花束が分解されても心は痛まないが、俺が贈っても花はこんな目に遭うんだろうかと思うと、ちょっと溜息が出た。
 ……自分に惚れる男だっているんだって、こいつがわかるまでに、何がどれだけこんな運命を辿るんだろうな……
  1. 2011/10/04(火) 12:53:22|
  2. 恋愛SS-N|
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