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【新居の理由】(椿×かのこ 新婚トラベルおまけ)

冬コミのペーパーからです。
新婚トラベルのオマケ話ですが、かのこと椿君が新婚だと思って読んでいただければ、わからない内容はありません。


「続きを読む」からどうぞ
◆◆◆
 結婚式後、初めて桃ちゃんたちを新居に招いた。
「へえー!」
 マンションはオートロックで、外のインターホンから夏草君と桃ちゃんがマンションの前まで来たことを告げられると、エントランスまで椿君と二人で迎えに出た。エントランスの夏草君はきょろきょろと周りを見渡していた。
「いらっしゃい」
「かのちゃん! お招きありがとう」
 声をかけると、まず桃ちゃんが駆け寄ってきて。
「椿、すげーな、このマンション」
 それから夏草君はきょろきょろしたまま、外からはロックされている内側の自動ドアのところまできた。
「何がだ?」
「でかいマンションだよな」
「そうか?」
 椿君はなんでもなさそうな顔でマンションを見上げてるけど、新居のあるマンションは確かに大きい。新築ではないし、賃貸だけど、大きくて立派なマンションだ。こんなマンション、まだ就職したばかりの私たちには分不相応だと思うけれど。
「こんなとこじゃなんだし、部屋行こうぜ」
「おう」
「行こう、桃ちゃん」
「うん」

「コーヒーでいいか?」
「私淹れるよ」
 椿君に二人の相手をさせて、私は台所に立った。
 お土産に貰ったケーキと、用意してあったクッキーを出す。お湯を沸かしながら、挽いた豆をペーパーを敷いたフィルターに入れて。別にすごく部屋が広いわけじゃないから、その間の居間の会話は聞こえてくる。
「ちょっと意外だった。椿んちは広いけど、苗床は家の広さとかこだわらないと思ってたし」
 夏草君は、このマンションに相当びっくりしたようだ。まだその話をしている。
「確かにかのちゃんは住むところにこだわらないけど……椿君がこのマンション決めたの?」
「探したのは俺だけど、かのこも納得して決めたぜ」
 コーヒーフィルターの上からお湯を注いで、四人分のコーヒーを淹れながら……椿君が余計なことは言わないようにと思っていた。お盆にケーキとクッキーだけ先に載せて、居間に向かう。
「あいつは安アパートでいいって言ったけど、ほら、安いアパートだと壁薄いだろ。夜、声が筒抜けになるって言ったら、防音効いてるこのマンションでいいっ……てっ!」
 両手がお盆で塞がっていたから、お盆を椿君の頭の上に……ちょっと強めに置いた。ちょっとクッキーとケーキが跳ねたけど、大丈夫、跳ねただけだ。コーヒーは後にしたから。
「いってー! かのこ!」
「――桃ちゃん、夏草君、ケーキどれにする?」
「う、うん……えーと、これがいいな」
「あ、私、こっちにしようかな……椿君、大丈夫?」
「平気だよ。ね?」
「~~~~」
「コーヒーも今持ってくるね」
「ありがとう」
 台所に戻り、次はコーヒーカップを載せて、居間へ。
「……さっきの話だけど、やっぱり夜はテレビの音とか響くと迷惑だものね。やっぱり防音も新居選びには大切ね」
 桃ちゃんが話している。
 ……そう、響くのはテレビの音。だよね! と目で訴えつつ、お盆を持って椿君の横に立った。
 椿君は私を見上げて、さっきお盆を『ちょっと強めに置いた』ところを撫でながら。
「……そうだな」
 しょうがねーな、という顔で同意した。
  1. 2012/03/06(火) 17:30:38|
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