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【三倍返し】(椿かのこ ホワイトデー)

ぎりぎりだー。

3/15 目次に載せました。(14日の夜にはできなかったので)


続きを読むからどうぞ
◆◆◆
 3月14日を目前にしたある日、苗床は言った。
「ホワイトディのお返しとか、いらないからね」
 ホワイトディというのは日本という国において、3月14日はバレンタインディと対になる日だ。バレンタインのお返しをする日として設定されている。由来は菓子屋の陰謀論にしかならないので、横に置いておく。
 義理でもなんでも、2月14日にチョコをもらった以上、俺は苗床に何か返すつもりでいた。
 もちろん苗床がそんな釘を刺して来ることも、考えられなかったわけじゃない。誕生日プレゼントが高価過ぎると言って受け取り拒否されたことを、忘れたわけじゃなかった。
 だけど考えないようにしていた……と思う。
 まだ買ってないんだが、ここでうんと言いたくはなかった。
「もらったものののお返しなんだから、受け取れよ。それも礼儀だろ」
「椿君、他の子にはお返しとかしないでしょ」
「他の奴からなんか受け取ってねーよ」
「…………」
 よし、勝ったか?
「ホワイトディの三倍返しとか、理屈に合わないよね」
 まだ粘るか。
「いいじゃねーか、三倍くらい貰っとけよ」
「今回は一袋198円の一口チョコだったから三倍でも大したことないけどさ」
 ……待てよ、三倍でも600円足らずなのかよ!
「高いものなら受け取らないからね?」
 苗床はそらっとぼけてそう言った。
 くそ、600円未満か……

「……594円以下?」
「以下だ」
 学校じゃ渡せないってことで、一度家に帰ってから、俺は自転車飛ばしてつぶれ荘に戻った。で、前日に用意していた『お返し』を見せた。
「本当に?」
 本当だとも。……まあ、少しオマケもしてもらったけどな。
「レシート見るか?」
「……いいよ」
「土鍋とコンロはうちのだから値段外な」
 持ってきたのは土鍋とカセットコンロと、鍋の材料二人分。
「椿君、作るの?」
「台所借りるぜ」
 俺は苗床の部屋に上がり込んで、鍋の支度を始めた。
 苗床と鍋がつつけるってだけで、俺はご機嫌だった。こんな三倍返しも悪くない。
「椿君、ちょっと鍋の量、多くない?」
 後ろから苗床が覗き込んで、量が多いと文句を言っている。
「いいだろ、チョコはカロリー高いんだから。三倍返しなんだから、ちゃんと三倍カロリー返してやる」
  1. 2012/03/14(水) 23:44:38|
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