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【新生徒会の謎】(リクSS 生徒会メンバーズ)

リクエストSSです。
えーと、多分4月10日までは未来の話です。
未来話なので捏造ではありますけど、って言ってもまあ大差ないと信じて。
直近LaLaDX掲載分ネタバレあり。

途中までかのこ視点一人称、最後だけ三人称。
全部三人称で最初書いてたんですが、やっぱかのこと椿君のパートは三人称だと違和感が…

◆◆◆
「これ、お願いできる?」
「はあ。掲示用に清書すればいいですか」
 後期生徒会発足。
 年度末近くの次の選挙まで、これでいくという面子が決定して数日。
 それぞれの活動もあるが、役員が顔を合わせずには仕事はできない。
 私は、かつてない荒技で会計に納まった姫乃さゆりの持ってきた書類を受け取った。
「ええ。わからないところがあったら、なんでも聞いてね」
 にこやかな姫乃さゆりの真意は、未だ知れない。
 生徒会長としての勝負を放棄してでも生徒会に入りたかったのか……という疑問は、まだ解決していなかった。
 この仕事に興味があるとは言い難いが、生徒会役員をやると決めた以上は頼まれれば仕事はこなす。そのつもりで、姫乃さゆりの持ってきた書類に目を通そうとしたけど――
 椿君が、その書類をひょいと取り上げた。
「――このくらい、俺がやりますよ」
 どこで身につけたのか、あるいは実は最初から持っていたスキルなのか、椿君は人当たりの良い愛想笑いを姫乃さゆりに向ける。
 私的には愛想笑いのあの字も惜しむ王様の椿君が、こちらも先日の選挙から何に目覚めたのかという謎の状態だ。高校に入ってからの椿君は新聞部に入り、生徒会に入りたがり、私にとっては謎の変貌を遂げまくりである。
 愛想笑いだけなら椿君の演技力は元々高いと思っていたから、それほど意外ではないけど、それを自らの意思で駆使する日が来るとは思っていなかった。
 あれなんだろうか、二人とも、一緒に仕事がしたかったのか……?
 それでどうしても、二人して生徒会に入りたかった、とか。
 そんな謎に包まれた二人が、私の頭上で不思議な火花を散らしている気配がする。
「あら、これは苗床さんに頼んだのよ」
「苗床は忙しいんです」
 それとも愛想笑いではないのかと思いながら、私は黙って頭上のやりとりを観察していた。
 実は、椿君は書記の仕事が死ぬほどしたいのか。私には譲れないくらい。
 ……ないな。
 自分の仮定に首を振る。
 もしや姫乃さゆりの頼む仕事は、なんでも自分でやりたいのか。そんなに姫乃さゆりが好きなのか。
 椿君は友情に厚い男だけど、ちょっと無理があるか。確かに珍しい女友達だけど。
 自分の仮定に首を傾げる。
 ――もしや、私に姫乃さゆりを取られそうに思って……
「苗床」
 考え込んでいると、椿君に呼ばれた。
「え、なに? 椿君」
「ねーから、全部」
「え」
「おまえ、また全部口に出てたぞ」
「えっ」
「別に仕事が死ぬほどしたいわけでも、これの仕事がしたいわけでも、ましてやおまえにこれを取られるって何考えてんだ!」
 友達じゃねーから! 元々! と耳元で強調されて、耳を塞ぐ。
 その横から、姫乃さゆりがにこやかにとげとげしく言った。
「――これ扱いはないんじゃない?」
「ああ、そうですね。俺は敬うべき年上は敬いますよ」
「……私は敬うべき年上に入らないのかしら」
 だって、ほら、仲良さそうじゃん。
 そんでもって、二人とも謎過ぎるんだってば……

「――あれはなんなんだ?」
 生徒会長席で書類から顔を上げた矢吹が、隣に立つ水上に訊いた。
 アレというのは、新生徒会のキラキラした新メンバー二人と、その二人の囲む眼鏡っ娘のことだ。
 水上はいつもの朗らかさで、さらりと答える。
「苗床ちゃんファンクラブじゃない?」
「…………」
 多分、水上の答は正しいのだろうと矢吹は思う。
 苗床かのこに自覚はなさそうなところが、また不思議だった。
 人間関係は外から見ただけではわからないな、と思いながら、矢吹は半年付き合う不思議な仲間たちを眺めた。
  1. 2013/03/09(土) 14:52:10|
  2. 恋愛SS-R|
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